August 26, 2004

[CD] ロマンポルシェ。/おうちが火事だよ!

IDCI-1006 2,625yen(tax in) / 9.22 IN STORE
CD「おうちが火事だよ!」
現時点最高傑作!
 ロマンポルシェ。が放つ2年半ぶりのニューアルバムは、これまで彼らが四方八方に向かってめちゃくちゃに投げつけてきた毒薬が一点に凝縮されたような完成度の高さを誇っている。デビュー以来のスタイルである無機質な80's エレクトロサウンドに今までにないメロディアスな唄をのせた楽曲はどれも非常にポップで、特に今回“ロマン優光がやる気を出して”作った3曲も佳作ぞろい。7曲目などは初期P-MODELを彷彿とさせる出来だ。
 また、掟ポルシェが全曲手がけた歌詞も注目すべきもので、どれも現代社会の心の闇を鋭く描写している。4曲目「チャップリンの女」に至っては、猟奇短編小説のようなドス黒い情念の世界が歌われ、聴いていてぞっとしてしまう程だ。いくら光を当てようとも、ブラックホールの如く真っ暗な80'sニューウェーヴの暗黒面にあくまでこだわるロマンポルシェ。に脱帽。

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[CD] あがた森魚/ギネオベルデ(青いバナナ)

ROUTE-1 2,500yen(tax in) / IN STORE NOW
GuineoVerde
 あがた森魚という広大な宇宙を彷徨うことは、僕にとって至福の時間である。そこには、かつての「ガロ」が表現していたような心象風景や、見たこともない大正時代のロマンチシズム、そしてどこか遠い異国の情景など、様々なイメージがきらめくように広がっている。なんの変哲もない現実も、ひとたびあがた森魚の音楽にかかれば、まるで稲垣足穂が描く幻想世界のようにその姿を変えるのだ。
 「乙女の儚夢」「永遠の遠国」「バンドネオンの豹」・・・長い経歴の中で常に音楽漂流を続けるあがた氏は、この3年ぶりの最新作で遠くドミニカ共和国のサント・ドミンゴに漂着した。サウンドプロデュースに青柳拓次(DOUBLE FAMOUS)を迎えドミニカで録音された本作は、メレンゲ、バチャータをはじめ様々なラテン音楽が散りばめられつつも、やはり“あがた森魚”としか言いようのない宇宙が広がっている。長く愛聴できる名盤だ。

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August 01, 2004

[CD] 安倍麻美/情熱セツナ

 最初は「なっちの妹」程度の認識しかなかった安倍麻美(あさみん)に僕が注目し出したのは、例のキス写真流出の一件以降だ。その際、彼女はホームページとライブ会場で、この写真の事実を認めファンに対して謝罪した。ちょっと言い訳っぽいのが気になる内容であったにせよ、こういうゴシップ記事を無視して、まるでなかったかのように振る舞う厚顔な芸能人に比べればよっぽど潔い。ファンにとってもへんに誤魔化されるよりは、ハッキリ認めてもらったほうがいいんじゃないだろうか?
 デビューしてそうそうミソがついてしまったあさみんだが、今の彼女にとってそれは逆にプラスとして作用していると思う。特に今回の5th シングル「情熱セツナ」は、彼女が(というか誰もが)持つ二面性──人に思われている自分と自分が思っている自分──をテーマとした意味深い曲で、詞も曲も非常にいい。無理に清純派ぶるわけでもなく、かといってへんな外連味もないあさみんを僕は応援せずにはいられない!
asamin001.jpg asamin002.jpg
歌の内容が端的に表れている2種類のジャケット
ユニバーサル [DVD付き限定版]1,400yen(tax in) /[通常版]1,000yen(tax in)

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July 03, 2004

[CD] V.A./SONG OF SAKANA〜いろんな場所にきみを連れていきたい

CRST-01 2,500yen (tax in) / OUT NOW
Songs of SAKANA
 SAKANAとは、ポコペン(Vo&G)と西脇一弘(G)の二人を中心に結成以来20年を迎える息の長いユニットであるが、僕が初めてSAKANAの音楽に触れたときの気持ちは今でも忘れない。一音一音が深く響き渡るような静謐な世界、そこに差し込む一筋の光のような強い意志、それは、かつてはっぴいえんどの名曲「朝」を聴いた時の体験に似た、自分が何かに洗われていくような感覚だった。
 それ以来SAKANAは僕の中でファイバリット・アーティストになったが、彼らのあまりにスローでマイペースな活動スタイルもあって、いまだに知る人ぞ知るミュージシャンズ・ミュージシャンのような存在だ。このアルバムはそのSAKANAを敬愛する数々のミュージシャンがSAKANAの曲をとりあげたカバー集であるが、やはりSAKANAを好きなアーティストが集まっているだけに、どの曲も素晴らしい世界観に仕上がっている。
 まもなく待望のニューアルバムもリリースされるが、願わくば絶版になっている旧作も復刻して欲しいと思わずにはいられない優れたカバーアルバムである。
(#フリーボの吉田奈邦子が1曲参加しているところも注目!)

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July 01, 2004

[CD] W/デュオ U&U

zetima /3,059円 /OUT NOW
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実に悩ましい、期待のデュオW(ダブルユー)の1stアルバム

 今年の8月にモーニング娘。(以下、娘。)から卒業する加護亜依&辻希美の新ユニットWの1stアルバムが早くも登場した。
 辻・加護といえば、第四期メンバー(同期は石川梨華と吉澤ひとみ)として娘。に加入してからは、第三期の後藤真希と共にモーニング娘。の黄金期を作り上げ、またミニモニ。として子供の間にもファン層を拡大した実績を持つ。来年には、唯一の初代メンバー飯田圭織と現エース石川梨華も卒業が決まっており、もはや娘。は、ほとんど新しいグループとして一から再生していかねばならない状況にあるが、そんな娘。にとって大きな励みになるのは、娘。を卒業した者たちのその後の活躍ではないだろうか。人気者の辻・加護に対する期待はとりわけ大きいはずだ。

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[CD] Zi:LiE-YA/電光石火

CTCD-472 2,800yen (tax in) / OUT NOW
Zilieya01.jpg
 優れた日本のボーカリストをあげろと言われたら相当悩むところだが、例えばマディ・ウォーターズのような黒人のブルースシンガーに拮抗できるボーカリストということならば、僕は迷うことなく“菊”こと柴山俊之の名をあげるだろう。その力強い歌声、作詞スタイル、存在感、生き方など総合的に見ても彼ほどブルースマンと呼ぶに相応しい人もそういないはずだ。菊の音楽的出発点となったサンハウス(1970年結成〜78年解散)は、初めて日本語によるリアルなブルースロックを確立したバンドとして永遠にその名を残す存在であり、その影響力は今でも多大だ。
 その菊を中心に昨年から活動しているバンドが、今回1stアルバムをリリースしたこのZi:LiE-YA(ジライヤ)だ。ベテラン揃いのバンドなだけに、パワフルで完璧な演奏であるが、粗々しさやセクシーさをも醸し出すのはやはり菊の存在が中心にあるからだろう。新曲に加え、「地獄へドライブ」といったサンハウスの曲、また菊が詞を提供した数々の名曲──「Vintage Violence」(Rockets)、「Criminal Rock」(Roosterz)なども取り上げられていて、昔からのファンも狂喜するに違いない。不世出のボーカリスト菊を知りたければ、まずはこの1枚を聴くことをオススメする。

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June 03, 2004

[CD] Berryz工房/あなたなしでは生きてゆけない

ゼティマ ¥1,050 (税込) /OUT NOW
Berryz1s.jpg
 思い起こせば、ミニモニ。の成功後に行われたオーディションで、小学生による「ハロプロ・キッズ」(以下キッズ)なるものが結成された時は、当時のモーニング娘。5期メンバーの不調も重なって、「ハロプロは子供路線に走ったか?」とバッシングが吹き荒れたものだ。その後は、映画の端役や、いくつかのユニット以外にはたいした話題もなかったキッズから、ついにその真価を試されるべきユニットが登場した。それがこの、キッズ8人からなるBerryz工房なのだ。
 正直、これがこけたらキッズの未来は暗いなぁという不安の中聴いた当デビューシングルだが、なんと、民族音楽調のリフレインとクールなR&Bが合体した近年まれにみる快心作! しかも、すでに国民的人気グループとして完成されたモーニング娘。に比べ、バッシングの中から登場したBerryz工房に、かつてのASAYAN時代の娘。の姿を重ねる人も多いだろう。新しい物語のはじまりを感じさせるBerryz工房に刮目すべし!

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[CD] SPEED/Kiss On (Live at LOFT 85)

CTCD-445 /¥3000 /5.15 OUT
Speed Live.jpg
 日本のパンクロック黎明期に、フリクション、リザードなどからなる東京ロッカーズのムーヴメントがあったことは多くの人達が知るところであるが、そのごく初期にSPEEDがかかわっていたことは意外に知られていない。それは、SPEEDが徒党を組むことを好まない孤高のバンドだったことや、残された音源が少ないなどいくつかの理由があるが、僕も、当時の東京ロッカーズを記録した幻のドキュメント映画「ロッカーズ」でしかSPEEDの姿にふれたことはなかった。ある種伝説的な存在であるSPEEDだが、その貴重なライブ音源が今回Captain Trip Recordsから発売された。1985年新宿ロフトで行われたこのライブ音源では、初期のストレートなパンクバンドというイメージをいい意味で裏切る、ブルース&ヘヴィロックな長尺の曲がディープに展開される。それは、60年代末のサイケデリック・ロックから村八分などを経由して連綿と受け継がれてきた日本のアンダーグラウンドロックのひとつの頂点でもあるのだ。

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